白川(西)美也子医師 

白川(西)美也子医師 精神科

こころとからだ・光の花クリニック院長

ブレインジムとの出会い

2011年に山形ヒッポ・メンタルクリニックの五十嵐郁代さんからブレインジムをトラウマ臨床に応用したロシアの医師マスカトーバの本の翻訳本の上梓とトラウマ臨床にブレインジムを拡げたいという依頼をうけ、ブレインジム体験記を書く為に五十嵐氏より1O1のトレーニングをうけました。PACE を児童養護施設の子ども達に行なっただけで、子どもの様子が変わるを見て、さらに興味をもち、五十嵐氏に児童養護施設でブレインジムグループをお願いし、さらに子どもの様子の変化に驚きました。
それから震災支援と自分のトラウマ治療にブレインジムを応用し始め、今まで介入が難しかったトラウマをもつ乳児への介入にブレインジムが効果があることを実感しました(白川美也子:「ブレインジム体験記」こころの臨床a la carte 40(3))。
2012年に自分がトラウマに焦点をあてた言語的精神療法のみでの回復が難しいと考えてブレインジムを受けるように伝えた複数のクライエントが偶然ジニアスラブの今道久恵さんのセッションをうけ、著明な改善を認めたことで連絡をとり、乳児院のベビーへの臨床介入をみせていただきました。心身の発達に障害があると考えられていた乳児に、ブレインジムとRMTなどの周辺技法も含めた介入や原始反射の解消によって、運動発達、方位反応の出現と周囲のケアテーカートの関係性回復など心身の発達がその日から起きること、それらの運動処方をケアテーカーに徹底することによって、成長のスピードアップがなされることに気づきました。一見簡単で機械的な介入法と思われやすいブレインジムの有効性を検証するため、横浜カメリアホスピタルで10例程度のブラインド診断と単回性の介入を試み、相補代替療法でありながら、ある種の疾患に関しては医療介入に匹敵するかときにそれ以上の根治的な効果をもつと考えています。

ブレインジムと医療との連携、活用事例

【患者様のプロフィール】

10代後半男性。

【顕著な症状と導入前までの経過】

乳児期の単回性の被暴力体験により、小学校時代から、ストレス対処や感情調整に課題を抱え、暴れてしまうことが出現、また何に対しても意欲がもてず、能力を発揮できずにいました。

【導入した施術とその後の経過】

今道久恵さんから複数回のブレインジム介入をうけながら、その過程で言語化されたトラウマ記憶を白川がトラウマに焦点をあてた技法で処理しつつ、途中からはすべてブレインジムセッションにより改善。自らの目標をたて、意欲をもち取り組むことができるようになり、著明な成長を見せました。

【患者様のプロフィール】

40代女性 幼い頃からの暴力や性虐待、さらに母親の被暴力を目撃し、自分もパートナーからのDVに苦しんだ。

【顕著な症状と導入前までの経過】

PTSD症状と身体化症状が著しく、意欲なく新しい生活に踏み出すことができていませんでした。

【導入した施術とその後の経過】

入院時にトラウマに焦点をあてた精神科治療に加えて、今道さんの単回性の介入をうけ、その一回の機会でトラウマ症状の改善を自覚されました。その後も、毎日処方されたブレインジムを継続しておられます。明らかに改善のスピードが速まったと感じています。

【患者様のプロフィール】

その他乳児院の乳児多数

【顕著な症状と導入前までの経過】

原始反射の残存で、ATNRの残存で一方向しか向けない、腰がたたないなど、運動発達の障害。 震災支援で出会ったPTSDの成人・子どもの事例 性暴力・性虐待の事例

【導入した施術とその後の経過】

言語精神療法が難しいベビーの治療には、原始反射の解消が発達の軌道を進める大きな力になります。 またトラウマ性疾患全般に、PACEを行なうことで、身体を整える=トラウマが治る身体の基礎作りになり、その後の治療介入が効果を増すような気がしています。 今道さんによるブラインドのブレインジム診断と介入からはトラウマのあった時期と、影響を受け続けている筋肉群が、明確に言い当てており、またその筋肉への介入で精神症状が変化するのは驚きでした。

今後の展開について

これからも自分の学びを深めて行きたいです。特に子どもの発達障害や成人・子どものトラウマ性障害に対するブレインジムの有効性は、多くの患者の福利向上や状態改善のために、ぜひ知ってほしいと思います。またADHDやASDなどに対するブレインジムなどの運動療法の効果検証、薬物療法との比較などは、医学的に必要だと思います。

今道との連携

乳児院臨床や児童養護施設での臨床を深めるなかで、身体的なアプローチの重要性に気付き、教育キネシオロジーであるブレインジムの実践者である今道久恵さんと出会い意気投合しました。生活のために始めた産業保健領域での仕事が、予防精神医学として重要な領域であることにも気づき、ストレスケアや身体的なアプローチを実践から手応えを得るにつれ、ストレスやトラウマによる各種の症状に苦しむ方々に対応するためには、多様な診療を提供できる場を創ることが必要だと気付きました。そこで2013年10月25日に、こころとからだ光の花クリニックを開設させていただきました。
これからは、これまで行ってまいりました全てを、クリニックという場で提供させていただきながら、併設施設「スペース白い花」のセラピストとの連携の中で、こころとからだのつながりを大切にした、全ての人に優しいメンタルヘルスケアの実践を行っていきたいと考えています。